"私は絶対大丈夫"って自分を信じることができる

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――2016年シーズンもいよいよ終盤です。この夏から秋口にかけて、少しずついい成績も出るようになってきましたが、自分自身で手ごたえは感じていますか。


比嘉真美子(以下比嘉) 昨年に比べてかなりよくなっていると感じています。


 
――特に、マンシングウェアレディース東海クラシック(9月16~18日、愛知県・新南愛知GC)では4位タイと、優勝争いの感覚を思い出す機会になったのではないでしょうか。


比嘉 この前の3試合(ニトリレディス、ゴルフ5レディス、日本女子プロ選手権)も、初日や2日目はいい位置につけても、3日目や4日目に1日たたいてしまう......、というパターンでした。
マンシングウェアレディースでは3日間いいプレーが続けられた。しかも、最終日の後半9ホールを、10番から5連続バーディの4アンダーでプレーできた。これは私にとって気持ちのうえでとても大きかったです。
 
 その後、2戦また予選落ちをしてしまいましたが、これは再び調子を落としたというより、ショートゲームが噛み合なかったり......、といったことが原因ですので、自分としてはいいイメージはキープしたまま富士通レディースに入ることができました。


 
――昨年の苦しかった時期と比較して、"調子が戻ってきたな"と感じられるのは、どんな部分でしょうか。


比嘉 ドライバーショットが思い切って振れるようになったことですね。
かなり調子が戻ってきたことで、バーディを考えられるようになりました。
パー4ではピンを狙いにいけるところから2打目を打てますし、パー5では2オンを狙えています。
悪かったときは自分でもどこに行くか分からなかったです(笑)。
今ももちろん曲がることは曲がるのですが、"曲がってもそこらへんのラフに行くでしょ!"とラクに考えられるようになりました。
 
ドライバーショットのストレスが減ったことで、18ホール回った後の体力面、気持ち面両方での負担は全然違います。

 
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――本来の武器であるドライバーが思い切り振れるようになって、コースマネジメントも変わってきたのではないですか。


比嘉 自分自身が「こうやって攻略したいな」と思うとおりにマネジメントができることが増えてきました。
私らしさというか、私の長所が出せるようになってきました。

 
――そんな中で、賞金ランキングが46位と(10月31日現在)、賞金シードが気になる位置です。


比嘉 確かにそうなのですが、今、私が毎日心がけているのがその日の自分の練習だったり、トレーニングだったり、試合だったり......。その日にやるべきことを一生懸命やることなのです。
昨年の、投げ出したい毎日の中でも逃げずに自分と向き合って過ごせたことは、私にとって大きな財産であり、やれた自分を評価したいと思うのです。
これからまた、壁にぶち当たることがあっても大丈夫、って思えるようになりました。それはプレーヤーとしてだけではなく人としても重要なこと。
ですから、今は明日のこと、来週のことなんて気にしていられないほど、今日という日に全力で向き合いたい。
そうすることで残りの試合で優勝できる可能性だって、賞金シードだって、不可能ではないと思っていますし、QTを受けることになっても"私は絶対大丈夫"って自分を信じることができると思います。

 
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――さて、残念ながら日本女子オープンの出場権が得られませんでした。貴重なオープンウイークとなりましたが、どのように過ごしたのでしょうか。


比嘉 高校を卒業してからプロ入り直後まで住んでいた、福岡に行きました。
福岡といっても北九州の小倉のほうなのですが、当時お世話になっていた練習場、コース、トレーニングと環境が整っているので、予定を詰め込まずにゆっくり調整させていただきました。
 
 4日間いることができたので、ずっと応援してくれる方たちと久しぶりにゆっくりお話できて、本当に楽しかったです。
プロになる前からのおつきあいなので、"比嘉プロ"ではなく"まみちゃーん"と接してくれる。
本当に頭の中をからっぽにしてリラックスできました。

 
――練習やトレーニングの合間に、オフを満喫できるような特別なことはしましたか。


比嘉 釣りをしました! 海に出てボーッとアタリを待っている時間が本当にリラックスできましたね。


 
――釣りは初めてですか。


比嘉 いえ、プロになって最初にツアーにフル参戦した年だと思うのですが、ミズノクラシック(現TOTOジャパンクラシック)のとき佐伯三貴さんに連れていっていただいたのが最初です。
餌の虫を針に刺すのは苦手なので、頼んでいます(笑)


 
――そのほか、"まみちゃん"と呼ぶ皆さんと、どんなお話をしたのでしょうか。


比嘉 覚えていないぐらい普通の話です(笑)。
例えばその日のごはんの話とか。お世話になっている皆さんの子どもたちがいるので、釣りの話をしたり、どんなスポーツをしているのかを聞いたり、中学生ぐらいのコとは"好きなコ、いるのー?"なんて話もしました。
 
 子どもたちを話していて、高校生のときの自分自身のことを思い出しました。
学校生活が本当に楽しかったんです。地元の高校でしたので(沖縄県立本部高校)、幼稚園や小学校のころからの友達も多くて、ゴルフとはまったく離れた学校生活でしたね。
 
 今思うと、当時は23歳ってすごく大人だなと感じていたのに、いざなってみると高校生のころと精神的にはまったく変わってない!
 
 女のコの友達は結婚して出産をしていることも多いから、大人っぽく感じることもありますが、男のコの友達は当時のままですね(笑)


 
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――今年はクラブの使用契約を結ばず、フリーでじっくり合うクラブを探していますが、最近はどのようなクラブを使っていますか。


比嘉 前半戦はピンのクラブを使わせていただいていましたが、現在はキャロウェイのクラブを使っています。
もともと、キャロウェイのウェッジをずっと使っていたのですが、以前はフェアウエーウッドを使っていたこともあったので、ドライバー、アイアンをテストさせていただいて、替えました。

 
――クラブ選びの"決め手"は何ですか。


比嘉 直感です(笑)。
パッと見て1球打って、フィーリングが合っていると思えばすぐ使いますし、逆にアドレスした瞬間に、このクラブとは合わないな、と思うこともあります。ですから、今はウッドもアイアンもウェッジも、たまたまキャロウェイでそろっていますが、替えたタイミングは実はバラバラなんです。

 
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――さて、今夏は日本ではリオデジャネイロオリンピックのメダルラッシュに湧きました。ゴルフも112年ぶりに正式競技に復帰しましたが、テレビなどで応援した競技はありましたか。


比嘉 柔道、卓球、そしてレスリングです。
特に女子の金メダルラッシュは夢中で応援しました。
そして、惜しくも銀メダルとなった吉田沙保里選手の最後まであきらめない気持ち、ブザーがなるまでは何がなんでも食らいつく姿勢は、アスリートとして気づかされるものが大きかったです。
前回のオリンピックの後、誰もが4連覇を成し遂げると思っていたはずです。そしてご自身もそのつもりだったと思います。
4年間という長い時間の中で感じるプレッシャーは、私たちが想像できないくらい大きかったでしょうし、その中で世界選手権も優勝して、さらにオリンピックに向けて準備をしている。本当に大変なことだろうなと思いました。
 
 特に、吉田選手のお母さまが、「金メダルばかりだったわが家に、銀色という新しい色のメダルが加わったことを誇りに思う」というようなことをおっしゃっていて、家族の皆さんの支えにも、グッときました。


 
――4年後は東京オリンピックです。今度はご自身の番だという気持ちはありますか。


比嘉 吉田選手の戦いぶりを見て、オリンピックの舞台に立つこと自体がすごいこと、負けるという経験も舞台に立ったことのある選手にしかできないんだと感じました。
私が現役選手でいられるタイミングで、日本でオリンピックが開催されるということだけでラッキーだと思います。
会場は霞ヶ関CC(埼玉県)だという話ですが、アマチュアのころ、このコースで開催されている日本ジュニア選手権のタイトルを1年の最大の目標としていたこともあり、コースに対しても特別な思いがあります。
4年もあると思う反面、私がツアーにフル参戦して4年ということを考えると、4年なんてあっという間だと思います。
 
 4年後、オリンピックの舞台に立つためにも、私にはやらなければいけないことがたくさんあります。1日でもムダにしたくない、そんな気持ちです。
まずはナーバスになりすぎず、目の前の課題を1つずつクリアしていくだけです。

 
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